【中編】僕らは“LGBT”とまとめられて、まとまってみることにした
〜トランスジェンダーの井上さんと、ゲイの太田が、農家をはじめるまで〜
こんにちは!やる気あり美の太田(@ot_john)です。
前編記事から結構時間がたってしまったので、
ザックリ振り返ります。
①アイスブレイクがてら、バドミントンをしました。
②バトミントン、むずすぎて、危うくアイスできかけました。
③座り込み、トランスジェンダーとゲイとして、お互い聞いてみたかったことをじっくり聞きました。
「ねぇ太田、ゲイの人って、カミングアウトしなくても彼氏もゲイ友も作れるのに、なんで?」
「井上さん、女の身体で生まれ、“男になる旅”をはじめて、今どこまで来たの?」
深い話でいっそう仲をふかめた井上さんと太田、中編と明日公開の後編では、
農家という1つのコミュニティを一緒に作ることとなった経緯について、話していきます。井上さんと太田が、セクシュアルマイノリティとしての悩みが大きかった当時「救われたコミュニティ」ってあったのか、そんな話からはじまりです。
自分に合うコミュニティを探して、説教されて帰った井上さん
- 太田
- ここまで、井上さんが個人としてどう奮闘して、自分をどう救い出してきたのかっていう話を聞いてきましたけど、ここからは「救われたコミュニティ」ってあったのかを聞きたいです。
- 井上
- なるほど。
- 太田
- 「救われるコミュニティ」って2つあると思うんですよね。「安心できるコミュニティ」と「憧れのコミュニティ」。そこにいけばホッとできる場所か、もしくは「自分もあんな風になりたい!」という人がいる場所ですね。まず前者についてから聞いていきたいんですが、井上さんが“男になる旅”の前に、もしくは初期で、FtM(エフティーエム、Female-to-Male:生物学的性別が女性で、性自認が男性)として「そのコミュニティに入ったから気持ちが軽くなった」みたいな体験ってありますか?
- 井上
- そうだなー、正直言って自分が当時出会えてホッとしたコミュニティっていうのは見つけられなかったかな。
- 太田
- そうなんですか!
- 井上
- うん。それこそ当時「自分は1人じゃない」と思いたくて初めていってみたおなべバーがあったんだけど、説教されて帰ることになったというか(笑)。
- 太田
- ええええ、説教!また、どうして。
- 井上
- 僕もビックリしちゃったんだけど、当時って今よりもっと性同一性障害の治療に関する情報って少なかったから、そこに行けば同じことに悩んできた仲間として、そういう情報も教えてもらえるかな、と思ってたんだよね。でも行ってみると「そんなものは男なんだから自分で調べて、自分で切り開くのが当たり前だろ」と言われて、なぜかビールもおごらされたっていう。
- 太田
- そこはおごらされるんですね(笑)。男は甘えちゃだめ、みたいな感じだったのかな…。
- 井上
- そうなのかもしれないね。でも、今よりもっとFtMに対して世間の風当たりって強かったし、それくらい力強い姿勢がなくちゃやっていけない時代だったってことだと思うから、誰かが悪いとかじゃないんだけどね。でも僕は自分が逆の立場だったら、これから治療する人、困ってる人にできるだけ情報を伝えて、助けてあげたいって思った。だからまず、自分の治療情報をHPで公開するところからはじめて、『G-pit networks』が生まれることになったんだよね。そういう意味では、その経験にも今では感謝してる。