緊急集会! 非モテの象徴・ゲイの“前髪”について
ガチで考えてみた②
SNSにより失われる多様性―記号主義への危機感
- おけい
- でもそんな私が前髪問題に気づいたきっかけは、30代後半くらいのゲイとのふとした会話だったんです。
昨年台湾旅行に行ったんですけどそれがとても楽しくて、土産話をそのアラフォーゲイにしたときに、彼が「いやー、台湾もね、10年前までは前髪系ばっかりだったんだけどね。今はもう短髪ガチムチばっかりだよね。ウフフ」みたなことを言い出して、「え、どういうこと!?」ってなったんです。「韓国は今でもそういう前髪系が残ってるよね」っていうようなことも言っていて。
それを聞いて、この人は「イカニモこそが主流であり善である」みたいに思考していて、そういう価値観のもと、台湾もある種啓発されたっていう風に認識してるんだろうなって。 - ホイ
- 蒙を啓いてやったみたいな?
- 金沢
- 短髪原理主義者……。
- おけい
- そういうニュアンスを私は感じ取ってしまって、これはヤバいぞと思った。
- そーし
- それは確かに、重大な問題ですね。
- おけい
- イカホモだけがゲイじゃないって思うんだよね。すごく。
- 金沢
- みんながそういう方向に変わっていくことを善とする価値観はちょっとどうなの、と。
- おけい
- そう。そこにみんながみんな流れていくとよくないんじゃないかなっていうのがあって、その観点をもちながらいろいろ、例えばTwitterだとかを見てると、短髪至上主義みたいな、イカホモにしてこそ是みたいな感覚が若年層にも浸透してきてるんだよね。そっちのほうがモテるっていうことがTwitterで共有されていて、だから、今すごく短髪の低年齢化が進んでる。
- 一同
- (笑)
- 金沢
- 社会問題感あるね(笑)。
- おけい
- 高校生くらいから、切ったほうがモテるってわかってる感じなんだけど、その原因ってSNSによってそういうことが可視化されてることにあるんだと思う。
- そーし
- その結果みんな同じ顔になってくんですね。
- おけい
- 個人がそれを本心からいいと思ってやってるならいいけど、何かしら、自分は本当はこういうスタイルがしたいだとか、貫きたいみたいなものがある人が泣く泣く前髪を切らざるをえない状況があるんだったら、問題だと思う。
- 金沢
- そういう悲しみはなくしたいよね。泣きながら前髪を切るゲイを一人でも減らしたい……。
- 一同
- (笑)
- そーし
- 前髪の人って短髪が好きだけど、短髪の人って前髪が好きじゃないから、結局こうなっちゃうというか、そういう運命なのかもって思う部分もあります。
- 金沢
- 短髪が広まるって言うのはやっぱりゲイが男同士の恋愛で、男性が恋愛において視覚情報を重視するっていうところに全ての根源があるんだよねきっと。
- ホイ
- 男同士である以上、必然的にイカホモ帝国主義が生まれる土壌があるんだよね。抗いようがないというか。
- 金沢
- ホイちゃんは果敢にもそれと闘ってるんですね。
- ホイ
- もうね、レジスタンス。でも抗った先に勝利はなくて、ただの悲しき独居老人になるしかないっていうね。
- 一同
- (笑)
- そーし
- その先に孤独死が待ってるんですね……(笑)。