緊急集会! 非モテの象徴・ゲイの“前髪”について
ガチで考えてみた②
物理的前髪は切り落としても、心の前髪を守ればいい
- おけい
- 髪型って、すごくその人の人格と言うか、見せたい部分なんかに繋がってるんだと思う。例えば女性だと「髪は命」とか言って、切るのは失恋したときだけだとか。だから髪型を規定されるって、結構キツいことなんだと思う。
- ホイ
- 簡単に言うなよって思うよね。あの暴力性みたいなの、すごい。
- 金沢
- そのへんの感覚が麻痺してるのかもしれないですね。
- ホイ
- でも今イカニモをやってる人たちだって、最初は抵抗があったかもしれないよね。自分はこういう人が好き、そして相手もそうだった。だから、自分を相手の好みに合わせていくっていう戦略をとって、心を傷だらけにして、血を流したからこそガチムチとしての今がある、みたいな。
僕なんかは、「アンタ血、流してないじゃん」ってイカホモから思われてるのかもしれないね。 - そーし
- そうかもしれないですね。
- ホイ
- ってなると、断髪するならバリカンとかでやったほうがいいのかな。
- 金沢
- センセーショナルにいくっていうのはありかもですね。血、流してる感あるし。
- おけい
- さっきも同じ話をしたけど、時代の流れの中では必然なのかなと思ってる。
野原くろさんの『ミルク』とか、『ハッシュ!』っていう映画とか、そういう作品の中だと、今では前髪系って言われるような長髪の人と短髪系の人たちが同じレベルで交流してるっていう情景があった。やっぱりゲイのSNSやTwitterなんかで諸々が可視化されることによって価値観の偏りが激しくなってるんじゃないかなって、見ていて思うよ。
そんな時代の中でどういう風にそれぞれのスタイルを守っていけばいいのかっていうのが課題なのかな。 - ホイ
- SNSによって多様性が失われてしまっているのはよくない、抗うべきである、ということを我々は運動として立ち上げていかないと。
- 一同
- (笑)
- 金沢
- ただ、抗うことによって失うものも大きいですよね。
- ホイ
- そうそう、そうなんだよ。失うものが大きすぎたら運動にはならないので、失わずして多様性を確保できる戦略がありえるのかっていうことを話し合うべきなのかな。
- 金沢
- 建設的な話ですね。
失わないでいようと思えば、やっぱりまずは切らないとダメなんじゃないですかね。前髪を。 - ホイ
- え!!
- 金沢
- 切らないと失い続けている状況は変わらないじゃないですか。
- ホイ
- その代わりに心の多様性を確保するってこと?
- 金沢
- そうそう。心の前髪は残しておくって感じで。物理的前髪は切っちゃった。でも服は好きなテイストのものを着てます、とか。
髪型はその人の印象を決めるうえでウェイトが大きいからそこは思い切ってバサッといって、他の部分できちんと前髪性を堅持していくっていうやり方です。
- おけい
- 私は今日、俗に前髪系とされている「フラボア」の靴をはいてます。靴だけは残そうと。
- そーし
- ほんとだ! ささやかですね。
- おけい
- 前髪系ブランドの中で取り入れても非難されないようなところで、何とか保ってます。
- 金沢
- 僕は今日持ってきたこの筆箱なんかもかなりオトコに寄せてます。
小物はこんな感じなんだけど、でもインテリアは仲のいいゲイ友達を家に呼ぶと“OL部屋”って揶揄されるような感じで、そういうところで保ってるというか、自分の前髪空間をもっているというか。
だからそういう形で、物理的な前髪を失ったとしても、洋服をイカニモに寄せたとしても、自分の前髪性を守ることはたぶんできると思うんです。 - おけい
- できればいいなって思うね。
- 金沢
- そうだね。できればいいなって思いながら続けてるところはありますね。