ゲイチョイス! 好きな『週刊少年ジャンプ』登場キャラBEST3 その③
プロであることよりヒトであることを選んだオンナ パクノダ
- 2015.5.12
- 金沢 よう
こんにちは。金沢です。
『週刊少年ジャンプ』登場キャラクターの魅力をゲイが語ることで、ノンケとゲイの溝を埋めちゃうよ!なんていうちょっぴりおこがましい目標を掲げた本企画、いよいよもって最終回です。
第1位
パクノダ
『HUNTER×HUNTER』より
第1位は『HUNTER×HUNTER』から、パクノダ。
パクノダは盗賊団「幻影旅団」の結成メンバーの一人なんだけど、この幻影旅団ってのがとにかく戦闘能力の高いメンバーが集まった集団なのね。
プロハンター(この世界では就くのがかなり難しい職業。みんな大体強い)でもうかつに手を出せないくらいの手強さ(↓)。
主人公サイドのクラピカっていうイケメン(ゲイ受け×)が一族を幻影旅団に虐殺されていて、その仇討ちのために動いてる、っていうような話の流れなんだけど、仇討ちとかほぼムリじゃね??っていうくらい力の差は歴然としてるわけです。
アンタ無茶よそりゃ、って感じ。
前置きはこれくらいにしておいて、私が好きなパクノダのアゲポイントについて早速いっちゃいましょう。あソレ。
① 漂うバリキャリ感
何ってバリキャリ感だよね。
パクノダの放つ、圧倒的なまでのデキる女感。
タイトスーツ(ミニスカ)に開襟パイ出しよ? 偏見MAXで申し訳ないんだけど、これをバリキャリと言わずして何がバリキャリかっていう……
正直なところ私、30代以降で未婚のバリキャリ女ってもうほとんどゲイみたいなもんだと思ってて(怒られる…?)、親近感を覚えざるを得ないわけ。
同じ性的マイノリティとして手を取り合いましょ??みたいな。
いやこれ冗談っぽく言ってるんだけど、わりと本気な部分もあってね。
彼女らって、「男=外で仕事、カネを稼ぐ」「女=家事に子育て、イエを守る」な従来型の価値観がまだまだ強い中では、当然生きづらさを感じてると思うんだよね。
若い世代ではそういう価値観も薄らいできてるんだろうけど、多くのノンケ男性が恋愛対象として好む女性って、結局自己主張の明確なバリキャリ女とは対極にある感じのタイプじゃん?
そんな空気感の中でバリキャリとして生きてると、めんどくさいこと、非常に多いと思う。
そういう意味では私たちみたいな性的マイノリティと変わらないんじゃないのかな、って。
とにかく、他人事とは思えないんだよね~…
② 能力がちょっと感傷的
強者の集う旅団の中でも少し特別な彼女の能力は、“触れた者の記憶を読み取る”というモノ。
かなり便利な能力なんだけど、他人の記憶や感情を読み取るって、なかなか負荷が大きいんじゃないかな。情報量が膨大だし、そこに色んな人たちの思いや気持ちがのっかってるわけだから。
それを一人で抱えて処理しなきゃいけないっていうのは、業が深いよ。
これまでにパクノダが読み取ってきた夥しい数の記憶のことを思うと、ちょっと切なさあるかも……
③ 葛藤の末の選択が胸に刺さる
で、ついに3つ目。これが一番好きな場面。
……尊くね???
どう考えてもアゲすぎんだろ……
このシーンまでのいきさつとしては、旅団を止めるため主人公サイドが動く中で、
・主人公サイド:旅団の団長を人質にとる
・旅団サイド:ゴンとキルアを人質にとる
っていう構図が発生するのね。
で、当然のごとく人質交換の流れになるんだけど、旅団としては危険分子のクラピカをどうにか始末してしまいたいわけ。でも人質交換を反故にすると団長が殺される。
彼らの集団としてのルールに従えば団長を見殺しにして組織全体の利をとることになるけれど、団長の存在は今ここで失うにはあまりにも大きい……っていうジレンマを抱えて、ついには内部分裂をきたしてしまう。
人質2人からクラピカの情報を読み取ったパクノダは、こんな感じに悩みまくるの。
で、この後にさっきのブチアゲシーン(「ヨークシン編」の物語的クライマックス)を迎えるわけよ。
団長を生かすことを最終的に選んだパクノダが、人質交換完了後、アジトに戻り仲間にコトの経緯を説明する(すなわちクラピカの情報を漏らす=交わした誓約を破ることになり死んでしまう)っていう場面。
ほんと最高だよね。
もっかい見て??
受け止めっだろ、これは。。
……思わず感情(私の)が昂ぶってしまったけど、何よりも尊いのは、仲間との信頼関係のなかにあって彼女がああいう選択をしたことだと思うのね。
それは彼らが遵守する鉄の掟、組織を合理的に存続させることのみを考えてつくられた非人間的な掟の定めるところとは全く逆の、人間的な感情から出たごく自然な決断だったと思うの。
センリツ(クラピカの同僚)の指摘する通り、“仲間を思うから”こそ、彼女は団長救済を優先し交渉の場に1人で臨んだ。
組織のルールをやぶってまで彼女が守りたかったもの、大切にしたかったもの。
自らの命を絶ってでも、仲間に伝えたかったこと。
組織は、夢を語る貧乏な若者の集団から、結果を生み出すリッチなプロ集団に変わっていった。
パクノダの選択は、「はたして私はここまで登ってきたかったの?」「みんなと笑っていられたら、それでよかったんじゃないの?」と自問し続けた一人の女性が出した最後の答えで、だからこそこんなにも読む者の胸を締め付けるのかもしれないね。。
このヨークシン編は、そういった心の動きが、両陣営のキャラクター三者三様の心理状態とその変化が、丁寧に描かれていることで文脈に沿って自然と頭の中に流れ込んできて、読む者の心にしっかり届いて響く。そんなストーリー展開に仕上がってるんじゃないかなって感じました。
その中核をなす人物が今回紹介したパクノダで、それゆえに私は彼女に惹かれていて、ジャンプの全キャラの中でも一番好き!っていうくらいの気持ちを抱いてるんだと思うんだよね。
ホント、何度読み返しても泣けるんだよな~……
それにしても、パクノダのあり方を尊いって、なんで私は思ってんだろ。
うーん、そうだな……。
私自身いちばん楽しいな幸せだなって感じる瞬間が、好きな人たちと同じ目的に向かって時間を共有しているときだからなのかもって、ちょっとだけ思ったよ。
とまあ、私の所感はそんなところです。
■おわりに
さて、これにて全3回が終了するわけですが、フタを開けてみれば私が選んだのは見事に全員女性キャラでしたね。わらい。
一応まとめらしいことをしておくと、私が彼女らを好きな要素として、
・自信のなさと自意識
・仲間への思い
があると思っていて、それぞれ、
・高菜:自信のなさと自意識
・ロビン:仲間への思いによる、自意識からの解放
・パクノダ:仲間への思い
っていうふうに対応してるのね。
私自身の内面にあるものとその機微に似ているところが彼女らの中にあったからこそ強く共感できて、結果大好きっていうことになってるんじゃないかな。
そんな感じです。
ここまで長々と続けて参りましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです~。
おわり。